心のソナー波

一義流気功 伊深気療院 blog

異常反応と連結するトラウマ

異常反応の解体後、「すぐに調子が良くなった」と感じる人と、そうでない人がいます。すぐには調子が良くならない理由の一つとして、「異常反応が他のトラウマと連結している」ということがあります。

 

もくじ

 

トラウマとトラウマの連結

別々のトラウマであっても、共通性があるものは心の中で連結してしまっていることがあります。

たとえば大人になってから「失恋したトラウマ」と、子どものころの「両親が離婚したトラウマ」にどこか共通点がある場合、「失恋したトラウマ」だけを癒そうとしても、うまくいかないことがあります。

 

 

連結しているトラウマが、トラウマ同士で心の毒を共有しているからです。「両親が離婚したトラウマ」は「失恋のトラウマ」だけでなく、他のいろいろなトラウマともつながっているかもしれません。そうした場合、消したいトラウマだけでなく、そのトラウマと連結されているトラウマからも心の毒を抜かなければ、完全には楽になりません。

 

考えてみよう① あなたの気になるトラウマは、他のトラウマとつながっているのかな??

トラウマはふつう心の自然治癒力によってしだいに癒されていきます。時間の経過に伴って苦痛が消え、楽になっていくと感じられるのはそのためです。

そうはならない場合、こうしたやっかいな「トラウマ同士の連結」という問題が隠れていることがあります。

 

異常反応とトラウマの連結

異常反応も他のトラウマと連結してしまいます。そのトラウマと異常反応に共通性がある場合です。この場合は上に書いた「トラウマとトラウマの連結」よりも、さらにやっかいなことになります。

トラウマが異常反応と連結すると、異常反応という土壌の上に「トラウマツリー」が生えているような状態になります。

トラウマが刺激されると、異常反応が心の毒をどんどん供給するような構造になっています。すると、時間がたつにつれてトラウマがしだいに強化されていってしまいます。

 

考えてみよう② あなたの気になるトラウマは、異常反応とつながっているのかな??

トラウマについて不可解な反応がある場合、異常反応との連結を疑ってみてください。かなり昔のことをいつまでも苦痛に感じているとか、思い出すとフラッシュバックのように鮮烈に思い出されるとかいうことがある場合、そのトラウマは異常反応と連結しているのかもしれません。嫌なできごとについて理性では整理できているのに、なかなかそこから立ち直れない場合もそうです。

異常反応は理性が届かない存在です。そのため、何か理性的な方法で異常反応との連結トラウマを解決しようとしてもなかなか難しいのです。そうしたトラウマを解決したいと思うならば、まずは異常反応を解体することが必要です。

 

異常反応との連結トラウマに関わる好転反応

異常反応と連結したトラウマは、異常反応の解体後に急ピッチで処理がはじまることがあります。すると大量の心の毒を処理することになり、心の中で苦痛の感覚が大きく広がるように感じられます。

こうした苦痛の感覚は、心の毒の処理が終われば自然と消えます。ただし、その処理する量が多ければその分だけ苦労はあります。※

この過程を別の気功メニューでフォローすることもできます。

 

※大きな異常反応を持つ方の場合、このような心の毒の処理過程で圧倒されてしまうこともあります。そうした場合、数回に分けて異常反応を0%に持っていきます。

 

「トラウマツリー」の悪影響はおそろしい

上に書いたような大変な好転反応が予想されても、やはり異常反応は解体しておくほうが良いです。

「自分の心には何か不具合がある」「この悪い思い癖はなかなかなくならない」とは思っていても、その大元の原因に「異常反応がある」と気づく人はまずいません。それは、異常反応が潜在意識のなかのかなり奥深い場所にあるからです。

異常反応自体に理性でアプローチすることは無理です。そのため、どうにか方法を考えて心のバランスを取っている人がほとんどです。だから「自分はこのままでもやっていける」と思うかもしれません。

しかし長い期間悩んでいることには異常反応が関係していることがほとんどです。その悩み事はなかなか解決しないばかりか、その後にどんどん複雑化して大きくなっていってしまうこともあります。それは、トラウマと異常反応が連結するからです。

追い込まれてしまう前に、早めに手を打ちましょう

異常反応を放置するとトラウマツリーが強化されてしまうだけでなく、さらに新しいトラウマと連結して、また新たな枝葉ができてしまうこともあります。ツリーがより大きく複雑になればなるほど、心の問題は解決されにくくなります。理性の及ぶ範囲もしだいに少なくなっていくでしょう。そのことが、年齢を重ねるにしたがってその人を追い詰めていってしまう結果になります。追い込まれる前に異常反応を解体しておくほうが良いです。

 

参考資料

小池義孝著『壱義流気功 技術と哲学』

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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