好転反応・毒出し・瞑眩(めんげん)について
心身の健康は「バランス」で成り立っています。バランスが崩れた時、もとの心地よい状態に戻ろうとする過程で起きるのが「好転反応」です。冷えとり健康法※では「毒出し」「瞑眩(めんげん)」とも呼びます。
上の例のようなものが好転反応です。こうしたものを「バランス改善に向かうためのポジティブなもの」とみなすのは、東洋医学的な発想です。
※「冷えとり健康法」は愛知県の元医師・進藤義晴さんが考案した東洋医学にもとづく健康法です。記事の最後に参考書籍を挙げてあります。
「毒が出る」というのは「心身にとって不要なものが外に出る」ということです。異常反応の解体後に出てくるのは「心の毒」です。
もくじ
自然治癒力とは
傷を負ったら膿が出たり、かさぶたができたり、風邪をひいたら熱が出たりしますよね。
病気やけがをした時に、特別に意図しなくても勝手に好転反応(毒出し・めんげん)が起きるのは、私たち一人一人に自然治癒力が備わっているからです。
体だけでなく、心にも自然治癒力はあります。いやなことがあったりストレスがかかったりしても、乗り越えていけるように心はできています。その過程で落ち込みや悲嘆や怒りを感じることも、実は自然治癒の内のできごとなのです。
さまざまな医療的ケアは、本来このような自然治癒を引き起こすためのものです。
「毒出し」は「ゴミ出し」のようなもの
自然治癒力はあまりにも元気がないと正常に発揮されません。好転反応が強く出る時というのは、「元気がない時」ではなく「毒を出す元気がある時」なのです。
毒出しをゴミ出しにたとえてみましょう。家にゴミがたくさんあっても、それを出しに行く元気がないと、家の中にゴミがどんどんたまっていきます。
元気があれば、ゴミを出しに行けて家の中はきれいになります。
毒出しもそれに似ています。下の例のようになっていることは何かネガティブな感じがすると思いますが、それは「心身のバランスをとるため」に起きていることです。
もし毒出しがずっとできなかったら、心と体に毒がどんどんたまっていってしまいます。「症状が出ない」のは一見健康なように見えますが、それが「出すべき毒を出せていない」状態なのだとしたら、実は不健康なのです。
毒出しがはげしく起きても、あわてないで!
自然治癒力が高まると、さまざまな毒出しが起きます。例えば冷えとり健康法に長年取り組んでいる人は自然治癒力が高くなっていて、さまざまな毒出しを経験しています。「ゴミがたまったらすぐ出しに行ける」のと似たような、元気な状態になるのです。
異常反応が解体された後も、「毒出しをする元気がある状態」に向かっていきます。異常反応はいわば自然治癒力にとっての「ハンデ」みたいなものです。ハンデがなくなると、自然治癒力が発揮されてその人本来の「バランスの取れた状態」に近づいていくわけです。
そのため、異常反応を解体する前にはなかった形でさまざまな毒出しを経験する人もいます。何も知らず突然そうなると、「気功を受けたことで余計に悪くなった」と感じる場合も出てきます。気功を受けられた方と、できれば周囲の方も毒出しについて知っておいてもらえたら幸いです。
毒出しのルート
心の毒の正体は「気」です。実体はありますが、普通に目に見えるものではありません。心身にとって不要な「気」が体の外に出ていくとき、「気」そのものとして出ていく場合もあるし、血や津液、排泄物などの目に見える物質に乗って出ていくこともあります。
毒の出方にはさまざまなルートやバリエーションがあります。
そのあたりは、冷えとり健康法の書籍にくわしく書かれているので、興味のある方は読んでみてください。
参考資料
進藤義晴著『医者知らず「冷えとり」で完全健康人生』
進藤幸恵著『きょうからはじめる冷えとりレッスン入門ノ書』
最後までお読みいただきありがとうございました。